数少ない『芝居小屋』の『出石永楽館』

兵庫県の豊岡市出石町 には、『永楽館』という芝居小屋がある。 兵庫県の北部、日本海を望む山間部にある出石町には、出石城というお城(現在は城跡だけだが)があり、その城下町としてできた町である。 有名なのが、『皿そば(出石そば)』で、一口分のそばを小さな皿に小分けして食べる蕎麦です。 その出石町には、全国的にも少なくなりましたが、『永楽館』という芝居小屋があり、年に一度、歌舞伎が催されます。

『永楽館歌舞伎』には、片岡愛之助、中村壱太郎、中村鴈治郎などの歌舞伎役者が毎年約一週間の公演を行います。 2017年は、11月4日~12日が公演期間になってます。今年でもう、10回目になり、四国の琴平町にある「金丸座」、熊本の山鹿町にある「八千代座」と並んで、芝居小屋歌舞伎の醍醐味が味わえ、今年も賑わうことでしょう。

 

観光も充実

出石町に入るとあちらこちらに、『皿そば』『出石そば』の看板が目に入ります。 街中を歩くと昭和の街にタイムスリップした感じがあり、広い空の淵が山に囲まれて、情緒ある風情があります。 観光地であるので、お土産屋さん等も多くあるのですが、それを縫って、スーパーがあったり、肉屋さんがあったり、ちょっと生活感があるのが独特の世界観を生んでいるのだと感じます。観光地の中心に、「辰鼓楼」という時計台的な建物があり、半径250メートルくらいが観光客が賑わう商店街なのです。街中を歩くと「豊岡市立美術館」「出石明治館」「桂小五郎居住跡」「豊岡市立出石史料館」などもあり、退屈することなく街を散策できます。

 出石5出石1

 

 

 

 

 

芝居小屋で『歌舞伎』を楽しむ

芝居小屋である『出石 永楽館』は、「辰鼓楼」より西に位置します。 歌舞伎が行われる時には、『永楽館』には「まねき」と呼ばれる看板が上げられ、「のぼり」がたなびきますので、直ぐに目につくと思います。 歌舞伎が開催される時期には、街中にも小さな「のぼり」が、商店の軒先などに並べられ、街全体が「永楽館歌舞伎」をバックアップしている感じも、風情があっていいものです。

永楽館に入ると、中は本当に昔の「芝居小屋」の雰囲気で、劇場の上部にかけられた商店の看板がレトロで、どこか懐かしさを感じ、ノスタルジックな感覚になります。 『永楽館』のコウノトリの紋は、豊岡市や出石にコウノトリが生息していることから、取られた様です。その紋を舞台にかけられる幕に採用し、歌舞伎を盛り上げる一躍をになっています。

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片岡愛之助さん 中村壱太郎さん

『永楽館歌舞伎』の座長を、ラブリンこと片岡愛之助さんがやっているのですが、舞台自体が古いので、花道の「すっぽん」と呼ばれる下から役者が出てくる仕掛けは、完全に人力で、豊岡市のボランティアさんなどが、何度も稽古し、担ぎ上げているそうです。そんな中、愛之助さんや他の役者さんが演じるのですが、舞台に手作り感があり、躍動感を感じられるのが、『永楽館歌舞伎』の特徴だとも言えます。 なんと言っても、役者さんとの距離が近いもの楽しみの一つです。 京都や大阪、東京の大劇場でみる歌舞伎と大きな違いは、その距離の近さからの「臨場感」かも知れません。

中村壱太郎さんは、ほんとに親しみやすい役者さんで、以前、『永楽館歌舞伎』を見に行った際には、商店でお土産を買ってましたし、移動は自転車に乗って行っていて普段の歌舞伎役者さんの姿が見られ、親近感を覚えました。 舞台上でも、壱太郎さんは、豊岡市や出石をピーアールし、自ら観光大使を名乗るなど、観客を楽しませてくれます。

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これからの季節、出石も紅葉が見られる時期になります。もし、11月の初旬を検討されているなら、出石で歌舞伎をみるのも面白いかも知れません。